| ■ 蒸し暑い夏に爽やかさを、凍てつく冬にぬくもりを - 自然の恵み「いぐさ」の魅力
畳は古代の茣蓙(ござ)に発祥し、日本の気候にぴったりの性質をもつよう独自の発達を遂げてきました。夏は爽やかに、冬は暖かくすごせるように。これもまた古の人々の知恵のひとつです。
畳は平安時代にはすでに存在していたようです。源氏物語絵巻などには、畳の敷き詰められた部屋がみられますね。室町時代の銀閣寺の建設では畳部屋の作り方の原型が考案され、江戸時代に入ると広く一般庶民の家にも使われるようになったそうです。
かつての日本の家には土間があり、畳があり、障子がありました。壁は泥壁と漆喰で、家の中に入った瞬間に心が落ち着き、冬暖かく、夏はひんやりとして心地よさを感じました。これらを構成しているものは全てがその地にあったお金のかからない自然素材でした。先人達は季節を感じながら、自然の産物を上手に使いこなしていたのです。そんなかつての日本人の生活を、現代の多くの人々は忘れかけてしまっていますね。 畳の素材、特にその表面に使われる素材は「い草」です。ところで、近年の畳にはい草の代わりに人工素材が使われるようになっていますが、当店の扱う商品にはすべて日本産の天然い草が使われています。このい草を丹念に育ててくれている九州のある職人さんは、その仕事についてこんな風に話しています。
「12月の寒い季節に植えて、7月の暑い次期に刈り取ります。約半年以上かけて育てたいぐさを愛情を込めて織り上げ、織上がった畳表を扱うときは我が子を抱くように丁寧に扱います」。そんな風にして出来上がったい草で作られたランチョンマットやコースター、茣蓙や畳は、私たちの生活の中に自然の素晴らしさや恵みを思い出させてくれます。◆
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