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2004年09月28日

●銀杏(ぎんなん)拾い

しばらくサボっていた朝の散歩を再開しました。早朝とはいえ良く晴れていると陽射しが強いので10分ほど歩くとうっすら汗をかいてきます。でもやはり秋。汗をかいても心地よい。風は涼しく爽やかで、散歩には絶好の季節になりました。よそ様の庭先に小さい秋を見つけながら歩きます。小さい紅紫色の花をみっしりとつけ風にしなる萩。朝露が光るイシイモ(ヒメコスモス)。少し色づいてきた柿の実。ざくろの実はもう熟してます。

秋分の日は時間に余裕があったので近くの公園まで行ってみることにしました。バス通りを10分程歩くと高校が見えてきます。その角を曲がって公園へ降りて行くのですが、角を曲がって生徒通用門の前を通りかけたとたん、
銀杏の絨毯うわぁ、この一面の黄色いものはなに?
うっ、臭い...
わぁ、銀杏だ、銀杏の絨毯だぁ
ゆうべは風が強かったので実った銀杏がいっせいに落下したのでしょう。
通用門の脇にそびえるイチョウの木の根もとは一面銀杏の海。
高校のときは気がつかなかったねぇ
実はこの高校は私たち夫婦の母校です。毎日通っていた通用門なのに、二人ともあの頃は一度もこのイチョウの木に生った銀杏を見た覚えがないのです。この閉口する臭いにも覚えがありません。
そういえば銀杏のおいしさも知らなかったかもしれない。炒った銀杏はビールのおつまみに最高!
ギンナン、うまいよなぁ
茶碗蒸しもいいよね
卒業生ということでお目こぼしを

臭いを放つ実を恐る恐る2本の指で摘みティッシュペーパーに。しかし銀杏の美味しさを思い出すとついついこれでもかと拾ってしまい、だんな様がどこからかコンビニのビニール袋を見つけてきてくれた時にはもう夢中。わずか15分ほどでコンビニのビニール袋いっぱいの収穫になるほど。
早起きはするもんだねぇ
散歩に出てきたのも忘れてご満悦の私たちでありました。

しかし食べられるまでには相当の手間がかかるのを忘れていました。しかも臭いと手の荒れと戦わなければならないのでした。まずは、外の実の部分をすっかり取り除きます。水につけておき、実の部分を腐らせて種だけにするのですが、この作業は臭いし、手は荒れるしで閉口します。やっとの思いで種だけにしたら、今度は天日に干して乾燥させます。これでやっとスーパーなどで売っている銀杏になります。

さぁ、これをフライパンで炒ります。殻を割り薄皮をはがすと、緑色の美しい果肉が現れます。つややかで半透明の翡翠(ヒスイ)のような美しさは感動的。ねちねちした歯ざわりとほろ苦さはくせになる美味しさ。あぁ、自然からの贈り物に感謝...。

2004年09月21日

●秋の七草は薬にもなります

フジバカマ ススキとオミナエシ
万葉の歌人、山上憶良は次のように詠んでいます。

秋の野に咲きたる花をおよび折りかき数ふれば七種ななぐさの花
萩の花、尾花、葛花くずばな、なでしこの花、女郎花おみなえし
また藤袴ふじばかま、あさがほの花

万葉の時代から日本人に親しまれ、着物地や器にも多く描かれる秋の七草。尾花はすすき、あさがほの花は実は現代の桔梗の花にあたります。なでしこには数多くの種類がありますが、七草に入れられているのはカワラナデシコという種類です。
春の七草は健康を祈って七草粥にしていただきますが、春の七草に栄養補給という意味があるとすれば、秋の七草には薬としての効果があります。

くずはその根が葛根として風邪に効くとされていますし、くず粉は身体を温めてくれる働きがあります。カワラナデシコは種子の部分を煎じて飲み、利尿効果が期待できます。女郎花は産後の肥立ちによいとされ、藤袴は入浴剤として、また婦人病に、桔梗はのどの痛み、咳きなどに効果があるとされています。ススキは... この薬効は調べてもわかりませんでしたが、いかにも秋らしい風情をもったこの植物は、やはり秋の草としては欠かせないでしょう。

古代の人は、身近にある野の草花に季節を感じて、心も身体も癒されていたということでしょうか。

今回はカワラナデシコと葛の花の写真がとれませんでした。ご覧になりたい方は、青木繁伸氏の植物園のサイトへどうぞ。きれいな写真が掲載されています。

ハギ キキョウ

2004年09月14日

●草津温泉 その2

今回は温泉と草津の町について。

kusatsu_machi.JPG
草津の湯は一般に「酸性含硫黄アルミニウム−カルシウム硫酸塩・塩化物泉(酸性低張性高温泉)」とされ、神経痛・筋肉痛・関節痛・皮ふ病・五十肩・うちみ・くじき等々に効くとされているようですが、難しいことはともかく、お湯に浸かれば理屈抜きにリラックスできます。さまざまな温泉のある大滝の湯、広大なスケールの露天風呂の西の河原温泉、無料で入浴できる18の共同浴場など、宿に泊まらずとも温泉を堪能できます。

温泉街も風情があります。近代的なビルに作り変えられた旅館も多いのですが、昔ながらの姿を残した宿もあります。お土産屋さんをひやかすのも一興。名物と言えば「湯の花」でしょう。湯畑には涌き出した熱い湯を冷ますために木樋が並んでいますが、この中に少しずつ温泉成分が沈殿していきます。これを取り出して乾燥させ、湯の花として売っているのだそうです。もちろん温泉まんじゅう屋さんも何軒もあって、試食させてくれるのが嬉しかったりします。

湯の花を混ぜて作ることで独特の青さを出す温泉ガラスやカラフルな鼻緒がかわいらしい下駄もありました。そうそう、温泉たまごも売っていました。2時間ぐらいかけて作るということで、温かいたまごをその場で頂けます。変わったところでは「猫屋」さん。猫グッズがいろいろと並ぶ中、「またたび」(ホントに猫は好きなのかしらん?)が置かれていました。猫好きの方にはお勧めです。

温泉の湯のぬくもりと、自然の力の大きさと、古きと新しきの混在する温泉街のおもしろさに魅了された旅でした。
湯の花 下駄屋さんの店先 温泉たまご
(草津についてさらにお知りになりたい方は草津温泉公式サイトへ)

2004年09月06日

●草津温泉 その1

9月に入り、暑かった夏も漸く終わりを告げようとしています。

草津の湯畑
そろそろ温泉で温まるのも悪くない季節です。私は一足お先に草津温泉を楽しんできました。ここ、草津は自然湧出泉としては日本一の湯量を誇り、古くは源頼朝も訪れたという歴史ある温泉です。写真は草津名物、湯畑の様子ですが、ここは草津の数ある源泉の一つです。現在は畑のように木でしつらえてありますが、私が小学生の頃にここを訪れたときは、まだ石で囲われているだけだったと記憶しています。妹と二人でこの端っこに入って父に写真を撮ってもらっていたら、誰かに「そこは入っちゃいけない」って怒られたっけ。確かにとても熱いので危険だったと思います。

草津白根山の火口湖、湯釜
「真水よりも温泉の方が多い」と言われるほど豊かな草津の湯の、その産みの親は草津白根山。白根山山頂に登る途中に殺生河原を通り過ぎると、卵の腐ったような硫化水素の臭いがたち込めていました。先ごろ噴火した浅間山からもそう遠くなく、このあたりが火山帯に含まれる地域であることをよく実感できます。

火口湖である湯釜周辺には植物もまばらで、明るい青緑色の湖面は神秘的でもありますが、ちょっと不気味な感じもします。この湖も酸性ですが、草津の温泉も強酸性で、ヨーロッパなどには見られない泉質です。

草津白根山の弓池
白根山には別の表情もあります。湯釜からすぐのところにある弓池(これも火口湖)一帯は木道も整備された湿地で、美しい風景を楽しめますし、ここからロープウェイの山頂駅まで歩いたときにはリンドウにも出会えました。白根山は、春にはシャクナゲ、夏にはコマクサも咲く爽やかな高原でもあるのです。(続く)

2004年09月01日

●敬老の日の贈り物その2

紫式部母方の祖母、おばあちゃんは働きものでお裁縫が上手な人でした。着物のリフォームもお得意で、おばあちゃんがよく着ていた絣がいつの間にか夏のワンピースになったり母の半纏(はんてん)になったりして驚かされたものです。
夏が終わる頃、よく、布を張り付けた長い板が庭に立てかけてありました。おばあちゃんの着物がばらばらの生地になって板に張り付けられているのです。これは洗い張りというもので、着物を解いてきれいに洗い、再び反物として蘇らせるための作業です。明治生まれのおばあちゃんでしたから物を大切にして長く利用するのがあたりまえだったのでしょう。私の浴衣の残り布でお人形の浴衣も一緒に縫ってくれた時はお揃いが嬉しかったなぁ。

けれど、あいさつはもちろんのこと、箸の上げ下ろしにも小言を言う躾に厳しいおばあちゃんでもありました。
「お口をもぐもぐしながらおしゃべりしたらお行儀わるい」
「ちゃんとお茶碗を持ってご飯を食べること」
「ご飯は最後まできれいに食べること。お百姓さんは一粒のお米だって作るのに1年かかるんだから。」
「初ものは仏様にあげてから」
「脱いだ靴はこっちをむけて揃えておきなさい」
「畳の縁を踏んで歩いてはいけないよ」
「子供は大人が話しているときはだまっていなさい」

「あぁもう、うるさいなぁ。あっかんべぇだ」幼いころの私は、なんてまあ、にくったらしいことを言う子供だったんでしょう。しかし、おばあちゃんに仕込まれた躾はしっかりと身体に染み付いていて、「あっかんべぇ」と言いながら走っていく私の足はみごとに畳の縁を避けていました。おばあちゃんの躾は人としての基本の基本でありました。徹底的に叩き込んでくれたことに感謝できるようになったのは、社会人になってからです。

切山椒(きりざんしょ)という和菓子をご存知ですか。「求肥(ぎゅうひ)」を細切りにした感じで、山椒の風味が特徴の餅菓子です。おばあちゃんのお気に入りのお茶菓子でした。最初の勤め先だった新橋で、老舗の和菓子屋さんの前を通りかかったとき偶然目にして「あ、おばあちゃんの...」。それからは見かけるたびに求めてはお仏壇にお供えするようになりました。わたしのおばあちゃんへの敬老の贈り物です。