郡山の凍り豆腐

私は福島県は郡山の「みたて食ってみねえ会」というところから毎月、米に味噌などのセットを送ってもらっています。今月、届いたものの中に凍り豆腐がありました。
凍り豆腐(こおりどうふ)と言えば、一般に関西では高野豆腐として親しまれていますが、これを東北あたりでは凍み豆腐(しみどうふ)と呼ぶようです。生の豆腐を凍らせ、乾燥させて作ることは共通していますが、この郡山の凍り豆腐は一般にスーパーなどで見かける高野豆腐よりも厚さが薄く、3ミリぐらい。

凍り豆腐、厚さ約3mm

実を言うと凍り豆腐は昔からあまり得意ではないのですが、この郡山の凍り豆腐、いけます。薄いせいなのか、味がしみやすく、また舌触りが滑らかです。普通の高野豆腐だとちょっとスポンジ状の食感(!?)をしていると思うのですが、これは私の料理の腕のせい?
さて、冒頭の「みたて食ってみねえ会」(みたてというのは御舘村、郵便局の不在通知が入っていたときに送り主の名前を告げるといつも笑われる)のセットにはいつも「みたて通信」という手書きの新聞が付いてきます。その中の一節。

昔のわらべ歌。「正月はイイもんだ。雪のようなママ食って。コッパ(木片)のようなオイヨ(魚)食って、アブラのような酒飲んで」。(中略)米だけの御飯が食べられるのは正月や祝い事の席ぐらいで麦飯が常食であるから、銀飯は最高のご馳走であった。塩漬の鮭でしょっぱくて魚の味などないくらいのものでも木を削ったようなオイヨは最高であったと子供たちが歌ったのである。

昔の質素な生活、そうした中での正月の晴れ晴れしさが想像され、また、今の日本の生活のなんと贅沢なこととも感じられました。