山種美術館(東京、広尾)は、日本画専門の美術館です。そのコレクションは、明治から現代までの近現代の日本画を中心に、浮世絵、油彩画などにも及びます。

先日、この山種美術館を訪れてきました。4月16日まで開催されていた「日本画の教科書 東京編 ―大観、春草から土牛、魁夷へ―」。横山大観、菱田春草、川合玉堂、また、奥村土牛、東山魁夷など、切手や教科書などでもおなじみの近代日本画の名作が多数展示され、見応えのある展覧会でした。

こうした日本画の珠玉の作品を観ることはもちろんですが、山種美術館を訪れるときの私にとってのもう1つの楽しみは、そのカフェで出会う和菓子の美しさ。毎回の展示に合わせて何種類かの和菓子が創作され、カフェのメニューに載せられます。今回、私は「藤のやどり」をチョイスしました。これは、パンフレットの左上にある下村観山の「老松白藤」をモチーフにした和菓子。黄金色の台には老松の枝に青々とした葉が茂り、そこに白い藤が繊細に表現されています。いっしょに抹茶もいただきました。

4月22日からは「花」と題した展覧会が始まりました。また新しい和菓子がお目見えしているようです。美しい花の絵と、美味しい和菓子が楽しみです。

※山種美術館の展覧会のパンフレット掲載の作品:
1. 下村観山「老松と白藤」(部分)
2. 小林古径「清姫」のうち「日高川」(部分)
3. 横山大観「心神」(部分)
4. 川合玉堂「早乙女」(部分)
5. 奥村土牛「鳴門」
6. 東山魁夷「年暮る」
7. 松岡映丘「春光春衣」(部分)
(いずれも山種美術館蔵。山種美術館のページ(http://www.yamatane-museum.jp/))。