2020年もあと数日。2020年はコロナに明け暮れた一年でした。
そして新型コロナウイルスにより、私たちの生活は一変しました。

この秋に刊行された俵万智さんの歌集『未来のサイズ』にコロナ禍での日々を詠まれた歌が多く収載されています。その中から3首ほど紹介します(俳句ではなく、和歌ですが)。

朝ごとの検温をして二週間前の自分を確かめている

布マスク縫う日が我にも訪れてお寿司の柄を子は喜べり

人と会う約束、仕事、なくなりて静かな三月、四月、来月

検温は我が家でも朝の日課となり、品切れのマスクの対応策で私も布マスクを縫いました。ステイホーム。高齢の母を抱えてまさに籠城戦。

毎週日曜日、朝日新聞の朝刊の『歌壇/俳壇』にも、ソーシャルディスタンスやマスクを詠んだものが多数投稿され続けています。日常生活が大きく変わった中で、コロナの話題は避けようにも避けられない。そして誰もが同じ不安を抱えていることを思い知らされます。

私にとっての俳句は、日々の中で感じることや思うことを詠む、日記のようなものになればいいなと思っています。今、この時の風潮の変化を感じ取ってそれを句に取り入れていくことができたら、たった17文字で世相を浮き彫りにすることができるのですね。

10月。今年も知り合いから新米が送られてきました。廊下に鎮座する米袋を見て、思い切ってコロナに挑戦した句を作ってみました。

コロナ禍の唯一の客や今年米

新型コロナウイルスの感染が少しでも落ち着いていくことを祈念します。

参考:
俵万智『未来のサイズ』
発行元: 角川書店 2020年10月2日発売