母が米寿を迎えました。齢、八十八。
最近の口癖は「いつまで生きていることやら」です。

その母が、床の間に飾る掛け軸を、最近は1つではなく2つにしています。いつまで生きられるか分からないけれど、そのいつかまでに、楽しめる数は2倍になる勘定です。

掛け軸は、以前は自身で掛け替えていたけれど、高い棚から取り出すのが大変で、今は私が母といっしょに見ながらどれにしようか選んで、替えています。

秋も深まってきた、暖かくて穏やかな日に、また掛け軸を掛け替えました。
二人であれやこれやといいながら軸を選び、並べ掛けます。温かな時間がたまらなく愛おしく感じられます。

行秋や 糸につるして 唐辛子
小春日や 花より赤き かなめ垣

いずれも村上鬼城の句。