立春が過ぎて早1週間。まだまだ厳しい寒さが続いていますが、木の枝に芽吹いている芽や枯葉を押し上げている草花の芽を発見したりすると、春がそこまで来ていることを実感できます。ものみな春へ向かって着実に歩みを進めている時です。

いろは堂で1月にお知らせしたプロジェクト、「ダジャレ粘土猫”制作本を世界12ヶ国語に翻訳・出版」の制作も、完成を目指して着実に歩みを進めています。

高橋理佐さんの作る粘土の猫は、カワイイだけの猫ではなく、とぼけた表情としぐさで心をくすぐられます。そしてなんと言っても猫に添えられたダジャレのタイトルが楽しい。ユーモアたっぷりの遊び心のあるダジャレに、なるほどと納得したり、クスッと笑ってしまったり。まさに猫とダジャレのコラボです。

物語のような世界をも感じさせてくれる猫とダジャレのコラボは、どうやって生まれたのでしょうか。

高橋理佐さんのYouTubeチャンネル(『Risa’s Funny Clay Cats – 高橋理佐の粘土猫教室』

のインタービューでその理由を少し知ることができました。

個展のタイトルや作品にダジャレを使うようになった理由を問われ、

「それは本当に沈黙が怖いだけです。」

沈黙が怖い?

「作品を見ていただいた時に、ああぁっていう無反応が怖かったから、せめてダジャレで少しは笑ってくれっていうのが一番大きいかもしれないですね。」

相手の緊張感をほぐし、ホッとさせるってこと?

「笑ってくれたら、そこをとっかかりに語るという。相手側にとっても気が楽だろうし。気を遣った結果そうなったんです。」

まずはダジャレで相手との距離を縮めるということですね。そしてその場のぎこちない雰囲気を温める。ダジャレタイトルは、作品への高橋さんの愛情であることはいうまでもありませんが、作品を鑑賞する私たちへの高橋さんの優しさなのですね。

少し前のこと。オフィスで隣の席の先輩が朝から何度も電話をかけていました。突然「だめだ、何度電話しても誰もでんわ」と受話器を置きながらダジャレを飛ばしたのです。すぐさま職場の仲間たちから「おいおい」とか「寒っ」とか言われ、冷たくあしらわれてしまいました。でもそのとき、オフィスの雰囲気がちょっと和んだような気がしました。すげない反応をしながらも仲間たちの目は笑っていたことを覚えています。

先輩のダジャレは寒いダジャレでしたが、それでもダジャレにはなかなかの効用があるように思います。ことばひとつで、人間関係の緊張をほぐしたり、コミュニケーションに彩りを加えたり、疲れた頭と体をリフレッシュしてくれます。時には苦しい状況を表現して己を励ますこともできます。斉藤茂太さんもおっしゃっていますが、ユーモアは人生の潤滑油。ダジャレもしかりなのです。

技量はいらない。「寒い」といわれてもいい。単純に面白いだけで十分。相手をクスッとさせたらこっちのもんです!

では最後に勇気を持って披露いたします。

☆彡フラワーポットトーラ ☆彡
— 窓の外の植木鉢の中にはまり込んだ野良のトラ猫の子ネコちゃんです。 ティーカッププードル(ティーカップに入るサイズのプードル)に寄せてみたのですが…