銀杏(ぎんなん)拾い

しばらくサボっていた朝の散歩を再開しました。早朝とはいえ良く晴れていると陽射しが強いので10分ほど歩くとうっすら汗をかいてきます。でもやはり秋。汗をかいても心地よい。風は涼しく爽やかで、散歩には絶好の季節になりました。よそ様の庭先に小さい秋を見つけながら歩きます。小さい紅紫色の花をみっしりとつけ風にしなる萩。朝露が光るイシイモ(ヒメコスモス)。少し色づいてきた柿の実。ざくろの実はもう熟してます。

秋分の日は時間に余裕があったので近くの公園まで行ってみることにしました。バス通りを10分程歩くと高校が見えてきます。その角を曲がって公園へ降りて行くのですが、角を曲がって生徒通用門の前を通りかけたとたん、
銀杏の絨毯うわぁ、この一面の黄色いものはなに?
うっ、臭い…
わぁ、銀杏だ、銀杏の絨毯だぁ

ゆうべは風が強かったので実った銀杏がいっせいに落下したのでしょう。
通用門の脇にそびえるイチョウの木の根もとは一面銀杏の海。
高校のときは気がつかなかったねぇ
実はこの高校は私たち夫婦の母校です。毎日通っていた通用門なのに、二人ともあの頃は一度もこのイチョウの木に生った銀杏を見た覚えがないのです。この閉口する臭いにも覚えがありません。
そういえば銀杏のおいしさも知らなかったかもしれない。炒った銀杏はビールのおつまみに最高!
ギンナン、うまいよなぁ
茶碗蒸しもいいよね
卒業生ということでお目こぼしを
臭いを放つ実を恐る恐る2本の指で摘みティッシュペーパーに。しかし銀杏の美味しさを思い出すとついついこれでもかと拾ってしまい、だんな様がどこからかコンビニのビニール袋を見つけてきてくれた時にはもう夢中。わずか15分ほどでコンビニのビニール袋いっぱいの収穫になるほど。
早起きはするもんだねぇ

散歩に出てきたのも忘れてご満悦の私たちでありました。
しかし食べられるまでには相当の手間がかかるのを忘れていました。しかも臭いと手の荒れと戦わなければならないのでした。まずは、外の実の部分をすっかり取り除きます。水につけておき、実の部分を腐らせて種だけにするのですが、この作業は臭いし、手は荒れるしで閉口します。やっとの思いで種だけにしたら、今度は天日に干して乾燥させます。これでやっとスーパーなどで売っている銀杏になります。
さぁ、これをフライパンで炒ります。殻を割り薄皮をはがすと、緑色の美しい果肉が現れます。つややかで半透明の翡翠(ヒスイ)のような美しさは感動的。ねちねちした歯ざわりとほろ苦さはくせになる美味しさ。あぁ、自然からの贈り物に感謝…。