桜とクローン

cherry_blossom2_s 例年、今頃の時期になると桜の開花状況が気になります。気象庁の開花予報を参考にして旅行やお花見の予定を立てる方も多いことと思いますが、今年は開花予報が途中で大幅に変わってそれに一喜一憂された方もいらっしゃるのでは…。かく言う私も3月21日に最初のお花見を予定していたものの、当日が近づいてくると真冬のような寒さが続いてこれではお花見どころではない、と4月に延期しました。なんだか悩ましい季節です。

桜と言えばやはりソメイヨシノですよね。ほんのりと赤みを帯びた白に近い桜色と可憐な花姿、花の時期が短くてはらはらと潔く、それゆえか感傷を誘う美しい散り際。日本人に深く愛されて各地に植えられています。

ところでご存知でしょうか。ソメイヨシノは自家不和合性が強く、自らの個体の花粉ではまず実がならないということを。ですから、日本中に植えられているソメイヨシノは挿し木などで増やしていった元の桜のクローンにあたるということになります。では最初のソメイヨシノはどのようにして生まれたのか、それには諸説あります。エドヒガンとオオシマザクラがその親であるという説が有力で、最近の遺伝子レベルの研究でもこの説が有力視されているようです。日本中にあるソメイヨシノの元は同じで、今各地にこの木があることを考えると、この木の花に魅せられた日本人の大いなる熱意に驚くばかりです。
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美しい桜の話からいきなり情緒のかけらも感じられないクローンの話になってしまいました。クローンだということを聞かされた私は、なんだか戸惑ってしまいました。スーパーの売り場では納豆はやはり遺伝子組み換えでないほうがよいかと悩んだり、つい最近韓国でオオカミのクローンが誕生したというニュースも耳にしたばかりですが、羊のドリーは可愛そうだったようにも思われる…。遺伝子の領域にまで人は足を踏み入れてよいものかどうかと。でも桜の花は好きだし、庭木などでは挿し木で増やすことはごく一般に行われている、クローンといってもいろいろあるのですね。

私の家のあたりではまだ二分咲程度ですが、桜の花はそんな難しいことを考えずにただ無心にその美しさを愛でよう。おいしいお弁当を持って、懐かしい人たちに若き日を共に過ごした場所で会える、私にとってはそんな季節に彩られた思い出を残してくれる優しい花です。



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