今年3月後半から始まった粘土猫の制作動画の作業がようやく完了し、本日、一般公開しました。COVID-19の影響で思うように作業を進めることができませんでしたが、なんとか公開に漕ぎ着けることができました。出来映えについては、不満が残るところがありますが、多くの学びがありました。それを次回以降の動画制作に活かしたいと思います。

公開した動画は上記の2本。最初の動画は、基本形である「お座り猫」の制作手順を、2本目はそのお座り猫の前足を大胆にも切り取って招く手に作り変えて「招き猫」にする手順を紹介しています。

各動画には字幕を付けました。日本語のほか、英語、スペイン語、中国語(簡体字と繁体字)、韓国語、そしてベトナム語を用意しました。他の言語も随時追加していく予定です。

ところで、これらの翻訳は、自動翻訳ではありません。私たちの本業は各種文書の各国語への翻訳です。翻訳と言えば、Google翻訳や、近頃その実力が注目されているドイツの新興企業が開発した「DeepL」といった人工知能を駆使した自動翻訳ツールがあり、その精度の向上には目を見張るものがあります。とは言え、それらの自動翻訳ツールが精度よく正しい意味を特定して翻訳できたとしても、そうは問屋が卸さない、といった部分があるのが人が発する言葉というものです。まだしばらくは、翻訳者が活躍する機会が続くことでしょう。

年内にはさらに多くの制作動画を公開する予定ですので、お楽しみに。

もうひとつお伝えしておきたいことがあります。現在、これらの動画の内容にある程度沿った内容の電子テキストブックの制作が進行中です。世界中の皆さんに楽しんでいただけるよう、数ヶ国語のバージョンを用意します。まず最初に、日本語版、英語版、中国語版(簡体字・繁体字)、スペイン語版を発行し、その後、韓国語、フランス語、ロシア語、ポルトガル語、アラビア語等が続きます。

以前の投稿でご紹介したように、高橋理佐先生の粘土猫の特徴は、その造形とタイトルとの組み合わせのユニークさにあります。猫と暮らす日常の中で生まれたインスピレーションから、数々のユニークで楽しい作品とタイトルが生み出されてきました。

毎日、SNSに投稿されるBBCやAl Jazeera、CNN等々で世界各地のニュース記事を読んだり映像を視聴していると、あらゆる場所で理不尽な不幸が生まれ続けている光景を目の当たりにし続け、もはや自分の心が麻痺してしまっているのをいつも自覚させられています。人間の不幸の多くは、人間が本来的に持っている負の側面から生まれていて、無くそうとしても決して無くなることはないでしょう。

そんな日常の中、このYouTubeチャンネルに出会い、視聴してくれた方々が、習得したテクニックを使って、自分の愛猫の姿をヒントにして独自のテーマで作品を制作し、素敵な、愉快な、ユニークなタイトルを付け、ご家族や友人を、私たちを、そしてまた不幸な境遇にある人々を笑顔にしてくれることを願ってやみません。

Kz