漆器。普段の暮らしに 番外編

この間漆器についてのウェブログで、和菓子をいただくときの漆製の道具をナイフスプーンと呼んだことをずっと気に病んでいます。そこで今回は漆器についての番外編ということで日本語名について書くことにしました。

匙と菓子切りナイフ状のものは、お菓子を切り分けて食べやすい大きさにするために使うものです。漆器屋さんなどでは和菓子用ナイフという呼び方で売られている場合が圧倒的に多いようです。でもナイフという呼び方にはちょっと違和感があります。和菓子を切るための道具なのですから、昔から使われている日本語の名前があるはず。

和菓子といえば、お茶。お茶といえば茶道。茶道で和菓子をいただくときにはどんな道具を使っているのか。黒文字(クロモジ)と呼ばれる楊枝と菓子切りなるものがあることがわかりました。菓子切りは金属製のものが多くいわゆるナイフのような形状をしています。菓子切り。これでしっくりきます。和菓子用ナイフ改め、菓子切りとします。

スプーンは、でした。さじです。最近では日常では匙(さじ)という呼び方をめったにしなくなりましたが、子供のころはおさじと呼んでいました。今ではもうスプーンでもいいのでしょうが、輪島塗のこの道具、あえて、匙と呼ぶことにします。スプーンはすでに日本語化して、匙のほうは死語と化しているのかもしれません。でもお料理では今でも大匙、小匙という計り方をしますし、匙加減なんていう微妙な調整のニュアンスを表す言葉もあります。すべての匙がスプーンになってしまったら意味が伝わらなくなってしまいます。これはもう単語レベルの問題では納まりません。

日本に昔からある道具であるならば、正しい名前を伝えていくこと、そして懐かしいだけの言葉、消え行く言葉としてしまわないように、日本語としての名前を伝えて行く努力をしたいなと思いました。