生花(いけばな)

毎年この時期(2月の10日前後から6日間)に銀座松屋で「いけばな古流協会展」が開催されます。華道の古流という流派の13の会派による合同展で、いけばなをやっているものにとっては1度に多くの作品を鑑賞できる年に1度の大イベントです。


古流とは池坊や草月流などのように生花(いけばな)の流派のひとつで、江戸時代の中期に誕生しました。古流の生花(いけばな)を見るとどれもこれも同じような生け方なので驚くかもしれませんが、これが、伝承の生花(せいか)様式というものです。基本的に「天地人」の3つの配置(枝や花)から構成されています。江戸の頃の儒教の影響で、それぞれには意味があり自然界を表現するわけです。

天(真)は導くもの
地(受)は従うもの
人(流)は中和するもの

さらに、もっとも美しい姿を追求した結果得られた、それぞれの配置と長さが定められています。これが黄金比であります。私たちはこの黄金比に従って草木にはさみを入れ、器に配します。ひとつの形を定めてしまうと誰が活けてもすべて同じで、花にも人にも個性が感じられなくなるのでは、と思うかもしれません。しかし同じような生け方でありながら、不思議なことに個性が出るのです。花の選び方や配置の微妙なバランスのせいなのでしょうか、「…..らしいね」という活け方になるのです。古流生花

最近はヨーロッパのフラワーアレンジメントが大人気で、趣味としてのいけばなは下火になってしまったのであまり馴染みがないかもしれませんが、日本古来の、そして日本人独自の自然の捕らえ方を忘れないでいたいと思います。

家元はじめ先生方の作品をぜひご覧いただきたいのですが、勝手にウェブに載せるのは著作権侵害になると思いあきらめました。来年の「いけばな古流協会展」で鑑賞していただければ幸いです。



1件のコメント

  1. はいーどうもです、実は以前(かなり前だが)茶道は大野氏に連れてかれたことがあるが、生花も奥の深ーい文化だよね。

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